ゴルフはスイングも見た目も足元次第?!
ゴルフは他のスポーツに比べると、プレーする時の服装がカジュアル過ぎずトレーニングウェアでもない、いわゆるゴルフウェアと呼ばれるカテゴリーで確立されています。
時代と共に流行があり、女性であればミニスカートやキュロットなど、男性であれば幅広パンツなのか細めなのかスタイルの変化、色や柄などの流行があり、活躍するプロゴルファーのファンへの影響力によってトレンドを作り出す場合があります。
お洒落を楽しむのもゴルフをプレーする楽しみの1つとなっています。日頃からファッションに関心がある方なら、足元が気になるところではないでしょうか。ゴルフシューズはクラシックモデルからスポーツタイプまで様々な種類がありますが、長らくメタルのスパイクが主流だったゴルフシューズの靴底も様変わりしてきています。
1900年代は金属製の鋲の付いたスパイクシューズを履いてプレーするゴルファーがほとんどでした。お洒落なゴルファーの定番は革底の重たいクラシックタイプのシューズでした。
メタルスパイクが登場したのが1914年の全米オープンで、お洒落なプロゴルファーであったウォルター・へーゲンがスパイクの付いた靴を履いてプレーしたことが最初と言われています。その後の1930年代には、アメリカではグリーンを傷つけるとスパイクシューズに対する批判が高まったようです。
金属製のスパイクシューズが敬遠されるきっかけは、ゴルフ場側の意見でグリーンを痛めるという理由からでした。グリーン上で足を引き摺ることによって傷が付く事が多く、2019年のルール改正前までは修復する事が出来ませんでした。1990年代に入ると、アメリカではスパイク禁止のゴルフ場が多くなり、それに合わせてスパイクレスシューズが普及し始めました。
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スパイクレスシューズの登場
ラバー底のシューズは、1980年初頭の頃よりあったようですが、グリーンを痛める事であまり普及しなかったようです。スパイクレスシューズが一般的に普及し始めた1990年代でもスパイクレスは、グリップ力がないという理由から使用するプロはほとんどいませんでした。
アマチュアでもゴルフ場側が完全に禁止するまでは、こだわりの強いゴルファーの間では、メタルスパイクが支持され続けました。しかし、スパイクレスシューズに力を入れていたミズノなどは、タウンユースでも履けるデザイン性を優先して販売促進に繋げました。
ウイングチップを採用し、ビジネスマンに受け入れられるデザインのスパイクレスシューズを発売しましたが、当時のものはイボイボの形状で傾斜や雨の日には弱く、天候によってスパイクシューズと使い分けるゴルファーもいました。
メタル製のスパイクシューズが完全に市場から消えるのは、ソフトスパイクシューズが登場してからでしょう。現在でも主流となっている着脱式の樹脂製の鋲で、グリップ力もスパイクレスシューズよりあり、万人のゴルファーに受け入れられました。
そんな中で日本でスパイクレスシューズが人気を集めたのが、1990年代のJ‘Sブランドブームです。ご存知の読者の方も多いと思いますが、ジャンボ尾崎プロを筆頭に尾崎3兄弟が活躍してブリヂストンから発表されたブランドです。
ジャンボ尾崎プロは、元々クラッシッククラブを収集するほど歴史ある道具や用品が好きな方でしたが、ドライバーなどをパーシモンヘッドからメタルヘッドに変えてスランプから脱出するなどで、新しい道具や用具などを積極的に試して、話題を作りブームを巻き起こすなどの先駆者的な存在でした。
ツアープロが敬遠していたメタルスパイクを履くのを止めて、試合でスパイクレスシューズを履く事で話題となり、日本でスパイクレスシューズを流行らせるきっかけを作りました。メタルスパイクシューズは身体に負担がかかるという理由からも、腰痛で悩んでいた当時のジャンボ尾崎プロがスパイクレスに変更した理由の1つです。
メタルスパイクを履いてゴルフ場でプレーした事がある方ならお解りいただけますが、芝生の上だけで使用するならまだ良いですが、ゴルフ場には地面が硬く整備された場所が多くありますので、硬い地面の上を歩けば、足元からの衝撃は膝や腰などに大きな負担を掛ける事になります。
又、ゴルフ場サイドもメタルスパイクによってクラブハウス内の絨毯などが痛んだり、カートの傷みなどがグリーンだけではなく発生します。それに滑って転んだりと安全面でも指摘されていました。時代と共にメタルスパイクは消滅する運命にあったのでしょう。
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スパイクレスとソフトスパイクの違い
ソフトスパイクは、鋲がメタルから樹脂製に変わった点が違う事で、メタルに比べるとグリップ力は落ちますが、シューズ自体の軽量化が出来る点がメリットです。メタル鋲ほど硬くはないですが、芝生以外のところを歩けばそれなりに違和感がありますし、滑りやすい事もあります。
スパイクレスシューズは、硬い地面でも違和感なく履ける事が最大のメリットで、ゴム底のパターンやゴム質などの耐久性もよくなり、雨の日や傾斜地でも滑りは少なくなっています。タウンユースでも使えるアッパーのデザインであったり、スポーツカジュアルタイプのシューズもありますので、一見スポーツシューズやビジネスシューズとなんら変わりがありません。
ソフトスパイクの鋲は磨耗しますので取替えが必要となります。メーカーによって独自のタイプを採用していて汎用性がなかったりします。取れてしまったりすれば、追加で購入しなければなりませんので、使用する前には必ず確認する事をオススメします。
アッパー部分も様々な素材が採用されています。本革製のシューズは手入れが大変ですが、今は防水加工が施されたシューズが一般的となっていますので、エアーで汚れを飛ばした後に布で拭けば良いでしょう。手入れの面で言えば、スパイクレスは底の汚れもブラシなどで洗い流して、エアーで飛ばせば綺麗になりますので手軽です。
近年ではダイヤル式で締めるタイプが各メーカーから出され、主流となりつつあります。紐で締め付けるのが当たり前であった時代からすれば機能的で、デザインもスポーツタイプで前衛的。従来の紐で締めるタイプなら、カジュアルタイプやクラシックタイプもあり、ゴルファーの好みに合わせた様々なゴルフシューズがあります。
ゴルフシューズもゴルフプレーでは欠かせないアイテム。本来歩く事が主体のスポーツであったので、ゴルフシューズは道具と同じぐらい重要な用具でした。スイングの良し悪しも左右するゴルフシューズですので、安かろう悪かろうで失敗しないように試し履きをして、お気に入りのシューズを手に入れましょう!
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— フジ天城ゴルフ倶楽部 (@fuji_amagigolf) September 20, 2020