皆さんはゴルフ場になぜ“池”があるのか、ご存知でしょうか?どこのコースへ行ってもだいたい池はありますよね。
天気の良い日に青々とした芝、キラキラと光る水面は、なんと美しいことでしょう。名門コースと呼ばれるようなゴルフ場のメイン写真には、池が写っている物も多いですね。
ゴルフ場にとっての池は、良い景観のコースを印象付けるのにも一役買っていると言えるのではないでしょうか。
ゴルフ場の池は綺麗なだけではない
青い空に緑の芝、清涼感を与える池、実に絵になります…が、
なんでこんなところに池があるんだ!と思ったゴルファーの方々も多数おられると思います。
せっかくの下ろしたてのニューボールが、いくつも池にのまれて行く様を何度経験したことか…。
一度落とせば続けて何度も…、なんてことはアマチュアゴルファーにはよくあることではないでしょうか。まさに池というよりは沼!という感じです。
ティーショットから池越え、グリーン手前のアプローチでの池越え、ゴルファーにこれほどのプレッシャーを与えるものはないですね。
このように、ゴルフ場の池はプレーをする上で戦略性を上げる障害の役割を果たしているということが、ゴルファーからしたら一番の理由かと思います。
当フジ天城ゴルフ倶楽部でも、松コース3番のセカンドショットが池越えとなります。ロングコースですので、刻むか攻めるか悩ましいコースです。
ちなみに、池に落ちたボールは落とした人が拾わず、次のボールを打った時点で所有権を放棄したことになりますので、ゴルフ場の所有物となります。
ですので、池のボールを拾ってもらってしまうことは、正確には窃盗罪となりますので、ご注意ください。OBゾーン等に落ちているボールも同じですね。
どうしてもとボールを拾う場合は、くれぐれも自身が池ポチャしないようにお気を付けください。
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ゴルフ場の池にはもっと大切な理由があった
時には癒しを与え、時には障害として立ちふさがる池ですが、実はもう一つとても重要な理由があります。
日本のゴルフ場は山林を切り開いて作られているコースが大多数かと思われます。本来山林は多くの樹木が生えており、大雨などの際には樹木の根が水を貯め込み、水害や土砂崩れなどから守る役目を果たしています。
その樹木を伐採してゴルフ場は作られていますので、そのままだと河川の増水や土砂崩れが起きかねません。樹木の根が雨水を貯め込んでくれるように、ゴルフ場でも災害が起きないように、一定量の雨水を貯め込む必要があるのです。
それがゴルフ場の“池”ということになります。
2019年の台風と豪雨による当ゴルフ場の被害の様子|フジ天城コラム
これを「調整池」と呼び、ゴルフ場を作る際は設置を行政から義務付けられているとのことです。
ゴルフ場の敷地面積によって貯める水の量も決まっているそうですので、景観や戦略性だけを考えて設計しているわけではなく、設計士さんは広さや深さまでを考えるそうです。
ゴルフ場によってはプールのような形の池があり、まさに水を貯めている場所といった感じの場所ですが、それを感じさせない素晴らしい景観の池があるコースは設計士さんの手腕によるものでしょう。
その他にも、水が張られていなくても異様にくぼんだ場所もたまに見受けられます。ティーショットをチョロった時によく落ちていく場所ですね。これも大雨の際に貯水の役割をする場所である場合もあります。
以上のように、ゴルフ場の“池”には色々な意味があるということでした。
アマチュアゴルファーからしたらヤキモキする“池”の存在ですが、ゴルフ場では営業する条件としても、無くてはならない物という事ですので、広い心を持って池越えに挑みましょう。